自分自身が、学びながら教えているという状況だ。
遺伝分野を教える際に、とても役立ったのがこの本だ。
大事なところを、たとえなどを使って、ズバッと伝える教え方は見事。
話し口調で読みやすく、授業を受けているかのように読むことができる。
遺伝の基礎から、応用のややこしい問題まで、遺伝についての知識がこの1冊で理解できる。
遺伝を苦手にしている人は、とりあえずこの本を読んでみることを薦める。
ただ、たとえを使うのは両刃の剣であることに注意が必要。
僕も物理を教えるときに、たとえをよく使うのだが、わかりやすい一方で、概念が正確に伝わらない場合もある。
例えば、母性遺伝のところで、「母ちゃんが詰め込むお弁当」と言われると、イメージがつかみやすい一方で、「詰め込んでいるものはいったい何なのだ?」という疑問がわいてくる。その実態を別の本で自分でちゃんと確認しておく必要があるだろう。
ちなみに、目次は次のとおり。第0章などを作ってあるところに、とても好感をもった。
第0章 「遺伝」とか言っている前にやるべきことがあるんだよ
第1章 遺伝現象の基本
第2章 いろいろな遺伝現象(その1 1つの遺伝子に注目)
第3章 いろいろな遺伝現象(その2 遺伝子の相互作用)
第4章 ちょっと頭が混乱する遺伝現象
第5章 染色体地図
第6章 集団遺伝
生物がどうしても苦手で、点数が取れない人は、理科総合Bで受験する方法もある。
●理科総合Bの参考サイト